自分の親が毒親かもしれないと気づいたら、まずは親との距離をおくことをおすすめします。特に、肉体的心理的虐待を受けているとき、自分の心身に影響がでている場合は、一目散に逃げることを考えてください。まずは自分を守ることを第一に考えましょう。
逃げてもいいんです。逃げることは悪いことではなくひとつの選択肢です。あなたが大人なら、すぐにでも家を出ましょう。もしもまだ自分では生きていけない年齢ならば、周りの大人に助けを求めてください。参考:子どもの人権110番【0120007110】や、24時間子どもSOSダイヤル【0120078310】
さて、虐待とまではいかなくても、過干渉な親、感情的な親、思い通りにしようとする親などの場合は、すぐに離れるほどでもないと感じる方もいるでしょう。ただ、もしあなたが、「親との関係がしんどい」と感じているなら、あなたの親は毒親の可能性があります。
特に現代は父親との関係性は薄くなり、親子問題は母親との関係からの影響が80%とも言われています。そこで、なかなか関係を断ち切りがたい母親が毒親である場合の対処法を考えていきましょう。
この記事の内容
1、母親の問題を背負わない
1-1.物理的境界線をもつ
母親との関係に息苦しさを感じている場合、それは、あなたに問題があるというよりは、母親自身が問題を抱えているケースが大半です。まずは、物理的な距離をとることをおすすめします。例えば、毎日のように顔を合わせなくてはいけないのなら、顔を合わせる時間を減らす、頻度を減らす、などです。自分の部屋で過ごす時間を増やしたり、外出を増やして、少しずつ顔を合わせる回数や時間を減らすことから始めてみましょう。
1-2.心理的境界線をもつ
物理的に距離をおくと同時に大切なのが、心の距離をとることです。具体的には、何かしんどさを感じることを言われたときに、聞き流す、受け止めない、ということです。自分を否定される言葉や、価値観を押しつけられたときは、真っ正面に受け止めなくても良いのです。
「お母さんはそう思うんだね」と境界線を引いたり、「そういう風に言われるのは私はうれしくない」と伝えるなどして、そこに心を遣いすぎないことを心がけましょう。親との関係のしんどさから自分の心はどんどん疲弊していきます。母親の問題をあなたが背負いすぎることをやめ、まずは自分自身を立て直すことに力を使いましょう。
2、母親にメリットを与えない
2-1.相手の機嫌をとらない
母親は、あなたや周りの人たちが自分の思う通りにならない場合、ヒステリックになったり、感情的になったりする場合があるでしょう。脅しをかけたり泣き落としを使うなど、方法はさまざまですが、要は、母親は自分で自分の機嫌を自分で取ることができない、いわば子どもと同じなのです。
人間は、必ず自分にメリットのある行動をとるのです。では、母親が感情的になるメリットは何でしょうか?それは、感情的になりワガママを言うことで、自分の言い分を聞いてもらえる、というメリットです。この方法しか知らないわけですから、その方法では、今後メリットは得られない、ということを繰り返し母親に示す必要があります。
母親が感情的になるたびにあなたが機嫌をとるというのが今までのパターンだったのなら、メリットをあなたが与え続ける限り、母親はあなたからメリットを搾取しようとしてきます。強い意志をもって、母親が感情的になったり脅しをかけたりしてきたら、さっとその場を離れたり、すべて母親の思い通りでなく、自分にも都合や考えがある、と、自分自身をきちんと優先させる態度が大切になります。
まずは、「こういう条件なら」と一部自分の意思を通すことから始めてみましょう。例えば、「今すぐこうして欲しい」と相手がいうなら、「明日なら時間があるから出来るけど」というようにです。
2-2.NOをはっきり示す
ここで大切になってくるのが、しっかりと態度や言葉でで示す、という部分です。具体的には、NOをはっきりと示すことです。もしあなたが「かもしれない」とか「と思うんだけど・・・」というような優柔不断な言動をしたり、つけいる隙がある、と相手に感じさせてしまうと、容赦なくそこに踏み込まれます。これは、どんな人間関係であっても、大切なことです。
「ストレスとは、心では嫌だと思っているのに、口がいいよ、と言ってしまうことである」という言葉があります。断ったら、申し訳ないかも・相手に嫌われてしまうかも?と、ついつい自分の本心は嫌でも相手の要求をのむことは、結局はお互いが心地よい関係にはなりません。長期的に付き合う相手だからこそ、「ここだけは嫌、できない、無理」とNOをはっきりと伝えましょう。もちろん、できる場合には、「これならいいよ」と伝えれば良いのです。
2-3.罪悪感をもたない
毒親との関係で一番根深いのが、この「罪悪感」という部分かもしれません。なざなら、幼少期から、「あなたのせいである、あなたのためよ」というように、罪悪感をもつように植え付けられてきたからです。また、世間的にも、親孝行が良いことである、という価値観が根強いからでもあります。親を疎ましく感じたり大切に思えない自分に罪悪感を抱いてしまいやすいのです。
しかし、この罪悪感は、いちばん手放してしまって良いモノです。親に感謝するのは当たり前、とか、親の面倒をみないのは親不孝だ、などという価値観は手放してしまいましょう。親に感謝するのは、一点だけ、この世に生をうけさせてくれたこと、それのみで良いのです。本当の親孝行とは、自分自身が生き生きと自分の人生を楽しむことなのですから。
3.毒母と理解し合えると思わない
3-1.自分の問題解決を第一に考える
私たちには、自分の課題を解決する力が備わっています。言い換えれば、他の人の課題までは背負うことはできません。まずは自分自身の課題に取り組むことが先決です。優しい人はこの順番を間違え得てしまいがちなのです。母親の問題を解決してあげなくては、という考えはこの場で捨て去っていいのです。あなたにはあなたの、そして母親には母親の課題解消の道があるのです。
3-2.相手を変えようとしない
実は、支配と依存はセットです。相手を支配したい、コントロールしたい、というタイプの人は、裏を返せば、依存心が強いタイプでもあります。自分より強い相手には依存し、弱い相手には支配をするのです。そのコミュニケーションしか知らないのです。
もしもあなたが、母親を変えられるかもしれない、という幻想をもっているなら、それもここで手放してしまいましょう。相手に変わることを望むことこそが、支配的な考え方であることに気づきましょう。変わることができるのは、本人が変わりたい!と強く思った場合だけです。
変わってくれるはず理解し合えるはず、と期待することはやめ、「相手は変わらない」と一旦受け入れることで、では「自分が対応を変えるしかないのだ」ということへシフトすることができます。そしてこの気づきこそが、あなたを自立への一歩と後押ししてくれることにつながります。
まとめ
さて、ここまでお読みいただきありがとうございます。耳の痛い部分や、分かってはいるけれどなかなかできない、という部分もあるかもしれません。ただ、これを読んでいる時点で、あなたの心は、「変わりたい!支配から脱却したい!真の幸せにたどりつきたい!」と叫んでいるのではないでしょうか。
支配と依存の関係は連鎖します。でもここであなたが気づいたことで、連鎖をくい止めることができるのです。毒親との関係で、心は疲弊しているなら、まずはカウンセリングや心療内科で薬をもらいながらでも良いと思います。しっかりと心の充電をしながら、問題解決への一歩を踏み出されることを願っています。
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