単身赴任。夫の転勤が決まったとき、自分の仕事や、子どもの学校の関係などで、ついていくことが難しい場合がありますね。もちろん一人で新しい赴任先へ行く夫のことや金銭面なども心配ですが、それ以上に、残って一人で子育てをしなければいけない奥さんも不安が大きいのではないでしょうか。8年間、単身赴任だった夫、留守中2人の子どもを育てた妻の立場からの注意点や心構えなどをお伝えします。
夫の転勤が決まったとき、子ども達は小学生と保育園生。ついていく、という選択肢がなかったのは、夫の職業柄、あちこちの支店を移動しなければいけないことがわかっていたからです。そのたびに子どもを転校させるのは負担ですし、またそれまでも、職業柄、土日祝日お盆やお正月なども仕事で、帰宅時間も遅く、平日休みの数時間しか夫は子どもと関われない状態であったことから、正直、単身赴任と変わらない生活でした。笑。それでも、やはり単身赴任の間、気をつけたこと、心がけたことがありました。これから単身赴任中の留守を預かるママさん達の参考になればと思います。
単身赴任中の注意と心構え
①防犯対策
母親ひとりで子育てをすることになり、一番不便を感じたのが、この防犯面と病気の時でした。、夫が毎晩帰宅していたときは、遅い時間であったにもかかわらず、それほど物騒にも感じたことがなかったので意外だったのですが、いざ、夫が帰宅しなくなる生活になると、女と子どもしかいない家は、防犯的にとても心細さを感じました。
しかも折も折、覗きの騒ぎがあったのです。戸締まりはもちろん、裏に防犯用の砂利を敷いたり、感知式のライトをつけるなど、また、ちょっと近所にゴミ出しに行くだけだから、などと油断せず、夫の留守中は特に、防犯面は気をつけることをおすすめします。防犯面を考えれば、周囲にも、夫が単身赴任で留守がちであることを、あまり言い過ぎないほうがよいかもしれません。
②病気時の対策
また、自分一人しか頼れる大人がいない場合、体調が悪くなったときは、とても不便を感じました。夫に仕事帰りに子ども達の食べ物や飲み物を買ってきてもらう、ということも頼めないため、いざというときのために食料などを備えておいたり、実家や、市町村のサービスなどを調べておくなど、こまった時に子どもを預かってもらえるような場所の確保も必要です。
③子ども達へのケア
子ども達は、保育園や学校もあり、もともと休日も父親は留守だったため、特別にはさみしさは感じていないようでした。ただ、男の子にとって、父親の存在は重要です。自分の目標ともなり、いずれ超えていく存在でもあるはずの父親が、家庭においてあまりにも存在感がないと、成長過程で社会性にゆがみがでる場合があると言われています。
そのため、留守であっても、お父さんは家族のために一生懸命働いてくれていること、何か大きなものを買うときには、お父さんに許可をもらうようにしたり、感謝の言葉を伝えるなど、父親の存在感がうすくなりすぎないよう、また、父親の地位が低くなりすぎないようには、特に気をつけました。
よく、奥さんが子ども達の前で夫の悪口や愚痴を言う場合がありますが、あまりそれをやりすぎると、子ども達がお父さんを馬鹿にしてしまい、反抗期などに親子逆転が起こり、だれも子どもを押さえることができなくなってしまう場合があります。父親風を吹かせて威張り散らしたり、支配するような必要はありませんが、留守がちなお父さんの尊厳をきちんと残しておくことは、お母さんにとっても大きなメリットのある、一番大切な役目と言えます。
④夫へのケア
失敗したのが、夫に子ども達のことを伝える内容でした。なかなかに手のかかった子供たちでしたので、ついつい、子どもの愚痴や、叱って欲しいところばかりを夫に伝えたために、たまにしか帰ってこないのにお父さんから叱られえてばかりいることで、子どもたちも嫌気がさしてしまった時期がありました。
夫も、帰ってきて、奥さんから子育ての愚痴ばかり聞かされては、楽しい気分ではないですよね。たまにしか帰ってこないからこそ、夫には子ども達の良い面を伝えるように心がけ、褒めてもらったり、お小遣いをあげてもらうようにと、対応を変えてからは、夫と子どもたちも関係性が良くなり、叱られてばかりいた時よりも、断然子ども達は伸びていきました。
そして、夫から、留守中は、お母さんの言うことを聞くんだよ、とか、お父さんの留守中は、お父さんの代わりにお母さんを守るんだぞ、なんて話をしてもらうことで、子供たちにも成長していきますので、お母さんは、上手にお父さんとこども達の橋渡し役をしていくことを心がけることが大切といえます。
⑤子供がいくつになれば楽になる?
小学校低学年までは、身体面でのお世話、という面が大変でしたが、だんだんと自分でできることが増え、病気もしなくなるなど、落ち着いてきます。反対に、小学校高学年くらいからは、精神的な部分が手がかかるようになるといえます。特に、お母さんが一人でお父さんとお母さん役の両方をしないといけないような場合は、子育ては難しくなっていきます。
お母さんは共感をして子ども達の心に寄り添い、情緒面を育み、お父さんはルールを守るなどの社会面を育てる、という役割をもっています。ところが、父親の部分を母親が担おうとするあまり、過干渉や支配的な親になってしまい、子ども達の健やかな発育をさまたげてしまう場合があるからです。
思春期になると子どもたちは、その支配や干渉から逃れようと、反抗的な言動をしはじめます。力や思考力でも大人並みになってくる子ども達に対し、お母さん一人でこの時期を乗り切るのはなかなかに大変と言えます。できれば、父性の部分は父親や学校にまかせ、お母さんは、子どもをしつけよう、よい子にしよう、と思いすぎないように、特にこの時期は気をつけていただきたいと思います。
⑥自分へのケア
子ども達が小さいと、夜中に突然発熱したり、けがをするなど、いつ、病院につれていかなければいけなくなるかわかりません。自宅であっても、晩酌などをして気をゆるませる、ということは、子どもができてからは本当にできなくなったことのひとつでした。また、ワンオペ育児、父親役と母親役など、ついついひとりでなにもかもを背負い込みすぎ、無理をしてしまいがちです。
ひとりでどうしよう、とか、ひとりでやらなくては、と思いすぎず、せっかくですから逆転の発想で、亭主元気で留守がいい、というように、夫のいない生活を楽しんでしまうくらいの気持ちをもってみてはいかがでしょうか。
夫がいないことに慣れると、子ども達と公園で遊んで遅くなったら、たまにはコンビニでお弁当を買って帰ったり、ちょっとした外食をしてしまうこともできました。夫がいるとそういうわけにもいかず、急いで買い物をしてかえって夕飯を作るらなければいけません。夫がいないので心おきなく実家に泊まったりもできましたし、お友達一家に気兼ねなく遊びにきてもらいやすかったりします。
デメリットばかりに目をむけるのでなく、いっそのこと、単身赴任ライフを楽しんでしまえるといいですね。周りでは、夫がいないのに慣れると、とっても楽ね、なんて声もけっこうありましたよ。笑。
まとめ
いかがでしょうか、子育ては特に、ひとりではできません。ご主人の仕事が忙しく、あまり子育ての協力が得られないのであれば、無理して知り合いもない場所についていくよりも、子育ての協力者や理解者のいる場所を選ぶ方が、メリットがある場合もあります。
また、あまりにも近くにいすぎることで、相手のいやな面ばかりをもてしまい、夫婦仲がうまくいかなくなるケースもあります。また、単身赴任をしているお父さんの住まいへ子ども達を連れていくことで、ちょっとした旅行気分を味わえたりもしますので、あまり不安ばかり先行させず、上手に楽しみむことで単身赴任の時期を乗り切るヒントにしていただけたらと思います。
はじめまして