子育てをしていると、こういう時は叱って良いの?これは甘えになるの?と、親も判断に悩んでしまう場面って多くありませんか?また、褒め方や叱り方についても、どういう言葉かけが効果的なのか、相談しても価値観はひとそれぞれで、判断に苦しむことも多くありました。交流分析を学んだ学んだことで自分の中に基本的な考え方の方針ができ、その場その場で判断に悩むことも少なくなりました。そんな経験から叱り方や褒め方のコツについてまとめてみました。
褒める子育てが良い、叱らない子育て、などと最近は叱るよりも褒める子育てが主流となっていますね。しかし実際に子育てをしてみると、そんな余裕はなかったり、叱らずにはいられないような場面もたくさんありますよね。そこで、どのような叱り方、褒め方が子どもの心の発達に効果的なのか、例をあげてお伝えしていきます。
子どもの心の健全な成長のために一番重要なのは、自己肯定感を伸ばすことです。この自己肯定感を根付かせることを考えたとき、褒める、ということはとても効果的だと考える人がほとんどでしょう。でも実は、
といったらビックリされるでしょうか?なぜなら、この褒める、叱る、というのは、どちらも、子ども本来のありのままの姿を認めていないからなのです。つまり、親は、褒めたり叱ったりすることで、大人にとって都合の良い、いい子を育てようとコントロールしているからなのです。そして、親自身も、そのように良い子に育てられてきた場合が多いのですね。ですから、子どもの心を育むには、基本的に、褒めるときも、叱る時も、子ども自身を認める、という部分がとても重要となってきます。さっそく例をあげて説明しましょう。
この記事の内容
1.褒め方の例
良くない褒め方①結果や、上手くできたとき、良いことをした時に褒める
上手くできたときや、良いことをした時だけ褒める、というのは、一番やってしまいがちな褒め方ですが、このように親や大人にとって良いことをした時だけ褒められた子どもは、自分の良い面だけを肯定し、自分の悪い面、弱点や欠点を自分で認めることができず、否定したり、隠そうとします。そのため、本来の自分から目を背け、いやなことがあると逃避するような傾向を持ちやすいのです。また、努力やプロセスでなく結果ばかりを褒められると、完璧主義になったり、挑戦をするのを恐れる子どもになってしまいがちです。
良くない褒め方②人と比べて褒める
誰かや何かと比べて褒めたり叱ることも、ついついしてしまいがちなやり方です。こう育てられた子は、常に何かと、誰かと自分を比べ、勝ち負けにこだわる、いわゆるマウントをとらずにはいられないような子どもになる場合があります。自分のもっている部分、素晴らしい面に目をむけられず、常にないものや足りない部分にに注目したり、競争心の強い子どもになる場合もあります。
良くない褒め方③見た目やもっているモノだけを褒める
例えば、見た目や、能力など、その子のもっている部分だけを褒めることは、それ以外には価値がないと感じてしまいがちです。例えば、美人ね、と褒められてきた子は、美人でないと自分に価値がない、と、劣化していくことに異常にに恐怖心をもち、整形を繰り返してしまうことがあります。また、頭がいい、賢いねという褒め方も、常に頭のいい自分でいなければならない、というような強迫観念につながる場合があります。
良い褒め方のコツ①褒めるのでなく認める
褒めるということは、その子の行動や性質を常に良い、悪いとジャッジしていることです。自分が常にジャッジをされたらどうでしょうか?人の目や評価を気にしてしまい、のびのびと才能を伸ばすにはほど遠いと思いませんか。褒めるという観念を手放し、その子自身の行動や存在を認めるような言葉かけをしていくことで、自己肯定感は驚くほど高めることができます。ありがとう、大好きだよ、大事に思っているよ、といった言葉かけです。
良い褒め方のコツ②結果でなくプロセス、もっているモノでなく存在を褒める
良い結果をだして褒めてもらいたいような場面も、結果や、もっている賢さを褒めるので無く、よく頑張っているね、と努力したプロセスを褒めたり、良い結果だったからうれしいね、というような感情に寄り添った言葉や、お母さんもうれしいよ、という自分の感情を表すような言葉かけを心がけましょう。
2.叱り方の例
良くない叱り方①怒りにまかせて叱る、暴言、暴力
これは、余裕がないとやってしまいがちナンバーワンではないでしょうか。もちろん私も何度も怒りを子どもたちにぶつけてきました笑。ただ、この叱り方は、親のストレスを吐き出しているだけで、子どもには何がいけなかったのかは全く伝わらないやり方です。また、自分のために叱ってくれたとは到底思えません。怖いので言うことを聞いているだけですね。そうすると、いずれ親子の力関係が逆転したときには、家庭内暴力へと発展する場合がります。もしくは、外で暴力的になる場合もあります。外に出せない場合は自傷行為や登校拒否などという形で出る場合もあります。いずれにせよ、自分の意思を通すにはこういうやり方で良いのだ、と子どもに教えてしまうことになり、良い結果にはつながらないことは、皆さんもよくわかっているでしょう。怒りにまかせてしまいそうなときは、とりあえずその場から離れることがおすすめです。
良くない叱り方②子どもを否定する叱り方
子どもの存在を否定してしまうような叱り方は、大きく子どもの心に傷を作ります。生まれてこなければ良かったとか、あなたなんていらない、というような直接的な言葉ではなくても、あなたがいなければ離婚できたのに、や、あなたの悪い部分はお父さんにそっくりだ、など。また、馬鹿な子ね、とかダメでしょ、などという言葉もそうです。そこまでではなくても、子どもの悪い部分や欠点を指摘するような叱り方は、親は子どものためを思い、良くしようと言うのであっても、子どもは否定された、嫌われているとしか受け取ることができません。自己肯定感も下がる一方の叱り方です。
良くない叱り方③子どもに選択をさせない叱り方
親の価値観を押しつけてしまう、というのもありがちな叱り方です。お母さんの言うとおりにしておきなさい、とか、お母さんはこっちが良いと思う、というように、子どもがこうしたい、という思いを受け止めず、親の意見ばかりを押しつけることは、子ども本来の伸びる芽を摘んでしまいます。親から見て、良いとは思えない選択肢であっても、一度考えてみる、受け止める、ということが、本人の自己肯定感、自己信頼感を養っていきます。
良い叱り方のコツ①本人の感情に寄り添う
いやだ、とか、こうしたい!と子どもがわがままを言ったとき、どう親の言うことを聞かそうか、とまず考えてしまいがちですが、まずは子どもの気持ちをくむ、寄り添う、ということを一旦してみると、子どもは自分の気持ちを受け止めてもらえた、と案外素直に納得したり、速く落ち着いたりします。周りから見て、甘えさせているように思われるのではないか、などど考えなくて良いのです。子どもの感情がでてきたら、そうだね、いやなんだよね、とか、もっと遊びたいんだよね、というように、押さえ込まずに、とことん気持ちを表にださせてあげましょう。
良い叱り方のコツ②否定では無く、肯定的な言葉を使う
ダメ、とか、いけませんという否定語でなく、こうしよう、こうならいいよ、というような、肯定的な言葉かけを意識しましょう。危なかったり、人に迷惑をかけてしまうときは、大声をだしたり、体を使って止め無ければいけないときもあります。そんなときも、やったことが良くなかったんだ、と、行為は否定しても、危ないから気をつけようね、とか、大事に思ってるからだよ、というような本人の存在自体は肯定する言葉かけが大切です。
まとめ
いかがでしょうか、褒める、叱る、どちらも根本は同じです。褒めるにしろ、叱るにしろ、根本的には、本人の存在を認めることが鍵なのです、それが自己肯定感につながり、子どもは自分を信じて生き生きと羽ばたくことができるのです。ただ、もし頭では分かっていても、うまくいかない、思うようにできない、という場合も、自分を責める必要はありません。誰しもが、自分がもらってきていないモノは人に与えることができないからです。そんな場合は、まずは自分を認めることや、自分をいたわり、充電することから始めてください。
失敗を許す
誰にでも間違いや失敗はあるものです。失敗したからと叱ったり、責めたりするのではなく、残念だったね、と感情には寄り添いつつ、失敗してもあなたのことは大事に思っているよ、とか、挑戦したこが素晴らしい、誇りに思う、という言葉をかけてあげましょう。実は、失敗したときこそ、思いっきり甘えさせてあげていいのです。失敗を許すことは、自分は存在しているだけで価値があり、弱点や欠点があっても素晴らしい愛される存在に変わりないと思えることにつながり、真の自己肯定感が大きく根を張ることができるのです。そして一番は、親自身が、自分を許してあげていいんです。完璧じゃなくていい。失敗してもいい。そう自分に言ってたくさん甘やかしてあげてくださいね。