女親に理解しがたい?男の子育てに役立つ父親の三つの役割

子どもが生まれて、夫が育児に参加してくれない、という悩みはいまだに多くあります。また父親になっても、仕事で時間がなかったり、育児にどう参加してよいかわからない、というお父さんも多いことでしょう。子育てを巡って夫婦げんかに発展することも多いと思います。ここでは、

特に女親には理解しがたい男の子の子育てに必要なお父さんの役割についてお伝えすることで、夫が育児に参加することのメリットや、夫にどういう部分で育児への参加をしてもらうことが子どもの発達に良いのかを、交流分析を交えた観点からお伝えしていきます。

 

夫が育児に参加してくれない!
父親になったものの、どう育児に参加して良いかわからない!

という親さんはいませんか?

実は、子育てにおいて、母親と父親の役割は大きく違います。母親は、子どもの発達段階の中では、安心感や信頼感といった、情緒の部分を大きく担います。反して父親は、社会性やルールといった社会面についての発達を担っているのです。この違いを知っておくことで、子育ての役割分担がきちんと理解でき、お互いが協力しあって子育てをするという形ができ、お互いに不満を持つことも減る一助となります。

特に男の子の子育ては、母親には理解できない男の子の特性について、父親がカバーしてくれるという部分が大きなメリットとなります。交流分析の観点から、父親の役割について、詳しくお伝えします。

 

父親の育児での役割①マタニティ期~乳児期まで 母親のサポート

乳児期から幼児期の父親の役割は、実は子育てにはあまり出番がありません。この時期の子育ては、実際の生活のお世話をする部分がほとんどです。交流分析の学びでも、この時期に申し分なく世話をしてもらうなかで、子どもは母親との信頼関係を学び、情緒面を発達させていくと言われています。

また、マタニティ期から母性を育んできた母親と違い、父性は後からしか育ちません。ですから、この時期に母親と同じような愛情を子どもにそそぐことを父親に求めるのは、夫婦どちらにとってもストレスにしかならないのが現実です。

赤ちゃんのお世話については祖父母や公的なサポートを多用するなどして、夫にはできる範囲で参加してもらい、育児でのお世話というよりは、奥さんの話し相手や相談役などの心のケアや、買い物やゴミ出しといった、家事の方面のサポートに徹してもらうと良いでしょう。

また、男性の脳と女性の脳で大きく違うのが、女性は察することが得意ですが、男性は苦手だという部分です。自分の気持ちを察してくれないのは愛情が足りないからだ、という勘違いから、男女のすれ違いともなりやすいですが、単なる脳の作りの違いだと言うことを知り、夫婦で話し合って、どんなときにケアが必要か、何をしてもらいたいかをきちんと言葉にして伝えることで、お互いのストレスを減らすことができます。

また、産後のホルモンの変動についても、調べておきましょう。自分ではどうにもならない感情の変化に産後のお母さんは振り回される場合があります。そういった時のケアについても、あらかじめご主人には伝えておくと良いでしょう。こういう場合ご主人には特に、奥さんの苦労をねぎらい、少しでも子育てから離れられる時間を作ってあげるようにすることで、辛い時期を協力して乗り越えていくことができます。

父親の育児での役割②幼児期~学童期まで 遊びを通して集団でのルールや男の子の特性を活かすことを学ぶ

幼児期になると、意思疎通ができるようになり、人見知りの時期も過ぎ、父親にも懐くなどから、父性も育ってくる時期です。この時期のお父さんの役割は、とにかく子どもと遊んでもらうことです

母親は世話をするだけで手一杯で、なかなか子どもが満足するまで遊びに付き合うことができません。仕事などで時間がない場合でも、一緒にお風呂に入る時、寝る前にちょっとした遊びをしてもらうなど、そこでのルールを通して、集団での社会性を学んでいきます。

特に男の子は、戦ったり乱暴な遊びを好んだり、遊びに夢中になってやらなくてはいけないことがおろそかになったり、周りが見えなくなったり、空気を読まない言動をするなど、母親にとっては理解不能な部分も多くあります。

実はこれらは男の子にとっては大事な特性で、結果を一心に求めたり、勝ち負けにこだわり一番になることを望んだり、集中力を発揮したりするなどといった部分を育んでいて、ここが女の子と違い、将来的な伸びしろとなる場合があります。あまりにもそこを押さえてしまうと、せっかくの良い芽を摘んでしまうことにもなります。

母親には理解しにくい男の子の特性は、遊びを通してコントロールできるよう育むことが大切です。ルールや力加減、感情の切り替えなどができるような育児をしてもらえるよう、ご主人と話し合い、社会性を育てるという目標を共通してもつことでお互いの認識をすりあわせていくことができます。

特に2歳前後のイヤイヤ期は、自我が目覚め、自分でやりたい!親の言うとおりにはしたくない!という感情が出てくる時です。この時期に自分の気持ちを認めて尊重してもらうことは、実はとても大切なことが、交流分析の学びでもわかっています。しかし、母親だけの世話だと煮詰まってしまうことがあります。

ご主人にはその時期に子どもの気持ちにつきあってもらったり、気持ちの切り替え方を教えてもらうなど、潤滑油的な役割がをしてもらうことで、母親、子どもともに、とても助かることとなります。

父親の育児で役割③学童期~思春期について 社会へのつながり、性教育、自立への道を学ぶ

学童期から思春期の子育てでの父親の役目は、自立していく上でのお手本となることです。

ここで重要なのが、奥さんがご主人を下に見ないことです。一家の経済面を担ってくれているのは父親であること、最終決定は父親にあるようにするなど、留守がちな父親との信頼関係の橋渡しをしておき、父親の権威を残しておくことは、その先の子育てに重要なポイントです。

この時期の男の子は、自立心や反抗心がでてくる時期でもあります。母親の世話をうっとうしく感じたり、力づくでは言うことをきかなくなる時期でもあります。子どもから見ても、目標となるべき父親の権威が低いことは、良い影響を与えません。

子どもに父親の悪口や愚痴を言いすぎたり、父親よりも母親が権威をふるう家庭は、男の子の場合とくに、精神的に不安定にもなる場合があります。仕事で家庭にあまりいない場合でも、普段から、お父さんは家族のために働いてくれているんだよ、などと尊敬できる部分を伝えるように気をつけることがいずれ自分のためにもなります。

また、性教育についても、女性を大切にすることを、父親から教えておくことも必要です。また、積極的に家事育児に参加できない場合も、仕事を頑張る姿を見せることなども、先々自立していく子どもたちに、社会での常識や心得などを伝えていくことが父親の役割ともなっていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか、男の子の子育てにおいての父親の役割を知っておくことで、必要以上に育児への参加を求めすぎたり、お互いの役割分担を決めておくことで、夫も育児に参加しやすくなり、夫婦間でのすれ違いも減らすことができます。

否応なく親にならざるを得ない母親と違い、父親は仕事中心の生活が変わらないというご家庭も多いですよね。

残念ながら、家事育児は母親の仕事という価値観は根強く、社会的にも父親の育児参加への理解は少ないのが現状です。そんな夫を責めたり不満をぶつけたりしても、夫婦の溝は深まるばかりです。家庭に安らぎを求められず、夫の気持ちが外へ向かってしまう場合もあります。お互いの役割分担を知っておくことで協力体制を作りやすくなります。

その上で、奥さんは、子育てだけでなく、夫を父親に育てていく、という役目も担わなくてはいけない場合があります。自分自身も母親として成長しながら、子どもと夫を育てていくことは、なかなか荷の重いことでもありますが、子どもの成長にとっても、夫に父親として成長してもらうことはメリットのあることです。自分のためと思って、一緒に成長していく気持ちで、子育てに夫の協力が必要不可欠である、とご主人に伝えていきましょう。役に立たない!となじられるよりも、頼りにしている、と言われた方がうれしいものです。

また、権威的すぎる、押さえつけすぎる父親や、完璧な父親になる必要はありません。男の子は、目標とする父親をいずれ超えていくことで、自分を確立していくことができるということが言われています。あまりにも頭ごなしで交渉の余地もないような子育てや、失敗を許さないような子育ては、逆に子どもの発達をゆがめてしまう場合があることが、交流分析からも言えます。

誰にでも良い面と悪い面があって当然です。時には完璧でなく、失敗もあり、自宅では気を抜いてたり欠点もあるような父親像こそが、男の子育てにはよいわけです。それで良いのです。

また、子どもにとっては、たったひとりの父親であり、子ども自身にもその血が流れているわけですから、奥さんは、お父さんみたいになってはいけない、いやなところがお父さんに似ている、など、子どもを暗に否定したり、子どもが傷つくような言葉は言わないように気をつけておく、ということも知っておいてもらえたらと思います。

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