思春期の子どもに、どういう対応をすればよいのか、わからなくなってしまうときってありませんか?いつもイライラしていて、口を開けば反抗的な言葉ばかり。暴言、暴力、不登校に引きこもり。親もイライラしてきて、子どものためにと思って行動しているのに、うまくいかない。
そんな子育ての壁にぶつかったときに、ちょっと知っておくだけで、子どもとのコミュニケーションがうまくいく、交流分析をもとにした視点の持ち方があります。
ここでは、3つの視点から、子どもたちの心を読み解き、実際の対応法についてもお伝えしていきます。子育てに行き詰まっている、なにをしてもうまくいかない、そんな親さんの参考になればと思います。
この記事の内容
1.辛い思春期の子育てから私を救ってくれた3つの視点
親をやめたい!と思うときありませんか。私は何度もあります。笑
そんなとき、まず第一にするべきことはなんでしょう。それは、なにをさておき、まず自分自身をいたわることです。
いま、子育てが辛い!親をやめたい!と思っているあなたは、でも、そんなことを思ってはいけないよな、とか、そんなこと思うなんて親失格だ、なんて自分を責めてしまっていることでしょう。
いいんです。
誰だって、親をやめたくなるときくらいあります。
育児や家事はどれだけ頑張ったからと言って報酬があるわけでもなく、やって当たり前、やらなければ責任を問われる、そんな大変なものが親業です。
あなたはいままでそんな親業をよく頑張ってきた、とても頑張り屋さんです。そして、いま、苦しい、いやだ、と思っても、それを投げ出してはいけない、向き合っていこう、このブログを読んでいる、とても一生懸命な素晴らしい人なんです。
頑張ってる!すごい!自分って天才!そうやって、まずはいっぱい自分をねぎらってあげればいいんです。自分にご褒美、例えばちょっと贅沢なスイーツなんか食べちゃったりして、特に自分をたっぷりいたわってあげましょう。
さてさてそんな大変な子育てですが、特に思春期、第二次反抗期ともいわれる時期は、子育ての壁にぶつかる親も多く、悩ましい時期ではないでしょうか。
反抗的になる
何も話さなくなる
「ウザい」「くそじじいくそばばあ」「死ね」など、ひどいときには、暴言、暴力といった親を傷つけるような態度をとる
いままでのかわいかった子供、親の言うことをきく子供ではなくなり、その変化に戸惑い、自分の子育てのどこが間違っていたのか、と自信をなくしてしまう親もあります。
我が家でも、もちろんそんな時期がありました。そんなときに、コミュニケーションがうまくいかない理由のひとつとして、子供が何を考えているのかわからない、という部分があります。
子供をとりまく変化を読み解くことで、なぜ子供がそのような態度をとるのか、親はどう対応するのがよいのかが見えてきます。
体、心、社会面の3つの視点から、こどもたちの心の変化を読み取っていきましょう。
1-1.視点1・思春期のイライラを起こす体の変化!
まずはじめに、イライラしてばかりの思春期の子供の体には、どんな変化がおきているのでしょうか。
第二次成長期といわれるこの時期には、こどもたちの体は大きく変化します。大人になるための準備が始まり、特に性的なホルモンが多量に分泌されます。実はこれが、イライラの最大の原因なのです。
あなたが女性なら、生理の前後にくる憂鬱やイライラを経験したことがあるでしょうし、女性でなくても、その時期の女性の感情の起伏を感じたことがあるでしょう。
このホルモンの影響は、実は自分自身ではコントロールすることが大変難しいのです。つまり、自分自身でも、常に理由の分からないイライラに悩まされている、それが思春期の子供たちなのです。
1-2.視点2・思春期の反抗心を起こす心の変化!
つぎに、反抗的になる思春期の子どもの心は、どのような変化がおきているのでしょう。
この時期の子供たちは、体とともに、心の面でも、大人への準備が始まります。周囲の大人に対して、特に親に対しては、自立心がでてくる時期です。そのため、大人の言うことに従順ではなくなり、自分のアイデンティティを確立させようと、反抗的な態度をとることも多々あります。
ただ、まだ完全には大人になりきれていないため、自立と依存を繰り返します。まだ自分一人では、心の変化に対応しきれないこともあり、特に親には、甘えや、自分への愛情をはかるために、感情をすべてぶつけてくることも多々あります。
1-3.視点3・思春期に意識過剰になる社会面の変化!
まうひとつ、この時期に忘れてはいけないのが、子供を取り巻く社会面での変化があります。
この時期の子供たちは、無邪気で誰もが横並びで良かった子供時代から、自己の確立をはかるために、周りと自分との違いというところを大きく意識し始める時期でもあります。
簡単に言えば、自意識が過剰になる時期なのです。
周りから見てどうなのか?どう思われているのか?自分の立ち位置は?そんなことが気になって仕方のない時期でもあり、親よりも友達の占める割合が重要になってくる時期でもあります。
2.思春期に親がしてはいけないこと
このように、子供をとりまく変化をひもといていくと、子供たちが、さまざまな変化に対応しようと、葛藤していることが見えてくるでしょう。問題を解決する上で大切なのが、このように相手を理解するために、相手の背景をよく知ること、心理を分析すること、が大きなポイントです。
このような視点から反抗期の子どもをみることで、そうか、ホルモンのせいでイライラしているんだな、とか、学校でも家庭でも大人になろうと葛藤しているんだな、ということがわかると、この時期に子供たちにしてはいけないこと、言ってはいけない言葉も見えてきます。
例えばどんなことはしてはいけないか。3つほどあげてみましょう
2-1.その1、子供扱いをしてはいけない
この時期の子供たちにとって一番重要なのが、この、大人への変化という部分です。心も体も、大人になるために大きく変化しています。それなのに、親や大人が相変わらず子供扱いをしていては、わかってくれない、と心は離れていくばかりです。特に、この時期の子どもたちは、否定されることを嫌います。否定されるほど、反抗心から意固地になり、わざと親のいやがる選択、反対の選択をする場合があります。どんなに稚拙な意見であったとしても、頭ごなしに否定することは厳禁といえます。
2-2.その2、子供とのケンカに勝とうとしない
ついついこの時期にしてしまいがちなのが、子供とぶつかったときに、子供をコテンパンにやっつけてしまうことです。例えば、誰に養ってもらってるんだ、とか、失敗に対して、ほら見たことか、など、子供をの尊厳を奪ってしまうような言葉を口にしてしまいがちです。これは、親が、子供に負けてはいけない、親なんだから子供よりも上の立場でいないといけない、と思いすぎているためです。自立しようとしている子どもを、押さえつけようとすればするほど、子供は反抗的になるか、逆に、親からの自立を諦め、依存型になるか、どちらにしろ、健全な成長を妨げてしまいます。この時期に力ずくで押さえつけようとすると、体も心も大人になってきた子供たちから、暴力や暴言で反撃されます。そのような形で反撃できない場合は、不登校や引きこもりという形で、自分の要求をかなえようとする場合もあります。
2-3.その3、子どもの口からでる言葉を真に受けない
この時期の子供たちは、小さい頃のように、素直に心のうちをあらわすことがなくなります。これも大人への成長の証なのですが、口げんかをしたときなど、売り言葉に買い言葉で、ひどい言葉を投げつけてくることもあります。そんなときに、親がその言葉を真っ正面から受け止めてしまうと、ショックを受けたり、腹が立ったりして、親も消耗してしまいます。お互いのためにも、真正面に受け止めすぎなくて良いと思っておきましょう。
ちなみにこの3つは、すべて私がしてきた失敗です。笑 もう散々間違った子育てをしてしまってきた、という方も安心してください。これからでもいくらでも間に合います。言い過ぎてしまったことは反省して、謝り、次から気をつけていけば良いことです。親の失敗をみせることも、良い教育となります。人間なんだから失敗もある、失敗した時にはどうすれば良いのかをお手本としてみせることができるチャンスでもあるのです。
3.思春期に親がしていくとよいこと
それでは、この時期に、親がすると良いことにはどのようなことがあるでしょうか。それも、3つの視点を意識しながら、答えを見つけていきましょう。
1つ目は、子どもの世話をできるだけ手放し、一人の大人と同様に扱うよう心がけることです。もちろん、まだまだ子供の部分は多くあるわけですが、親のほうが、こどもの変化を受け入れられなかったり、子離れできないままのケースは、結局は子供の自立を遅らせてしまいます。何もかもしてあげることは、優しくて子供を大切にしているようで、実は子供の成長する機会を奪っているのです。口うるさく身の回りの世話をすることや、本人の選択を否定することよりも、手助けを求めてくるまではできるだけ本人に任せ、少し距離を置いて見守ることを心がけてみてください。
2つ目に、子供を信頼することです。心配するのが親の愛情だと思ってしまうことがありますが、心配=あなたには無理、というメッセージになってしまいます。そうすると、子供は自分を信頼できない、自分で責任のとれない大人になってしまいます。大人になるということは、自分で選択し、その責任も自分でとることです。親が良いと思うものを先回りして与えるのでなく、本人に選択を任せることは、あなたなら大丈夫、信頼している、というメッセージになります。信頼を投げかけ続けましょう。
3つ目は、親自身が楽しむことです。子どもに対して愛情を注いできた親ほど、子どもが成長し、自分から離れていくことに不安を感じます。そこで子供の自立心を押さえ込むようなやり方をしてしまうと、反抗を助長させたり、依存をさせたりします。親の前では良い子でも、陰で悪いことをしていたり、家庭内暴力、不登校や引きこもりといった問題へと発展していく場合もあります。もしも子どもが不登校になったとしても、子どもの問題にかかりきりになるより、親が自分の好きなことを見つけて自分の人生を取り戻し、生き生きと過ごしていくほうが、子どもに良い影響を与えるのです。
まとめ
いかがでしたか?思春期の子育ては、親もたくさんの労力が必要となります。まずはしっかりと自分自身を充電することが大切です。目の前の問題にばかり振り回されるのでなく、できるだけ余力をもって、子供たちが成長の階段を昇っているんだな、という視点から対応していくことが、思春期の子育ての辛さから救ってくれるヒントとなります。
もしも上記のような視点から対応しても改善しない、わかっていても何度も繰り返してしまう、というような場合は、自分自身の問題解決が先決かもしれません。子ども本人ではなく、まず自分が精神的に自立できているのか、自分の選択を信頼し、責任も自分でとれる大人であるか。もしも自分の問題ならば、まずは自分自身にたくさんの愛情をそそぎ、また、愛情が漏れ出てしまう穴を塞ぐことを考えていく必要があります。
誰もが求めているものは、子どもの頃から基本的には変わっていません。認められることです。その基礎となるのが親の愛情です。ただ、その形は変わってきます。子供らしい愛情の求め方から、自分を一個人として認めてほしい、という形になるのです。
自分の子どもの頃の親子関係を見ていくと、いまの自分と子どもとの関係に大きな影響を与えていることに気づきます。その場合は負の連鎖を断ち切り、まずは親である私たちが、親から精神的に自立し、自分の人生をしっかりと生きることが解決への近道となります。
そしてあくまでも、子どもの人生の主役は子ども自身であることを、忘れないようにしたいですね。
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